2013 February

Paris

 
 
 
マドレーヌ広場にある新しい美術館、Pinacotheque de Paris に「Van Gogh reve de japon - 広重 旅の芸術」展を見に行く。ゴッホの作品に広重(歌川)の影響を読み解く、というなかなか大胆な試み。風景画などの構図やモチーフなどさまざまな影響 が見て取れる。ゴッホは画商の弟テオとともに500点以上もの日本の版画をコレクションしていたとか。また当時遠く日本に行くことはないと、日本に似た南 仏に留まって絵を描き続けたという。光溢れる南仏が、太陽の国日本に似ていると思ったのだろうか・・・。広重の「梅の花」と本当にそっくりなゴッホの作品 はアーモンドの花、というのも面白い。江戸時代の生き生きとした風俗の魅力を新しい視点で見るのも楽しい。

 

Paris

   
 
 
 
 
 
 
 
 
ポンピドーセンターで「EileenGray 1878-1976 」の展覧会を見る。アイルランド生まれの「家具、インテリア、プロダクトデザイナー、建築家」。この肩書きだけでその活動が多岐に渡るものであった事が想 像できる。主にフランスで活躍したけれど、英国王立芸術家協会認定王立産業デザイナー、アイルランド王立建築家協会賞と母国でもその功績が讃えられてい る。日本人工芸家、菅原精造に漆工芸を学び小さな家具を制作、1922年に代表作ともなるスチールパイプの家具の製作を始める。アール・デコの作風が印象 的な「E1027」というネーミングのテーブルはニューヨークの近代美術館永久コレクションとなる。1927年、フランスのロクブリュンに別荘「え 1027」を建てる。L'Aechtecture Vivantesの編集長だった建築家、ジャン・バドゥッチの影響で建築の仕事もするようになり、コルビジェと仕事をする。コルビジェは彼女の別荘に遊び に行き、その場所をたいそう気に入ってその隣にあの有名な「小屋」を建てることに。飛行機好きで気球によるドーバー海峡横断などにも参加していたという勇 敢なデザイナー。何よりもそのエネルギーに圧倒される。

 

Paris

 
 
 
主人の大学の卒業制作展に行く。ゼミの時から我が家に来てくれていた学生さんが賞を取ったり、嬉しいお話をいろいろ聞いて、すっかり若いパワーを貰う。学業のことはわからないけれど、「一生のお友達」が出来た素晴らしい大学生活であったら・・・と思う。

 

Paris

 
 
 
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フランク・ロイド・ライト設計の自由学園ー明日館で、年に一度公開されるビアホール。当 時のままのレトロな雰囲気が本当に素敵。1921年羽仁吉一、もと子夫妻が創立した自由学園。帝国ホテルを設計するために来日していたフランク・ロイド・ ライトの助手をつとめていた遠藤新が夫妻の友人であったことから夫妻に引き合わせ、その目指す教育理念に共鳴したライトは設計を引き受ける。「簡素な外形 に優れた思いを充たしめたい」との夫妻の希望をライトが具現化する。1934年、自由学園が東久留米に移転した後、国の重要文化財の指定を受け、現在はサ ロンコンサートや結婚式、展覧会場として使われている。アメリカで、大変な数のライトの作品を見て、「工芸的」な装飾がなかなか好きになれないと思って来たけれど、朝陽やライトアップなど「光と組み合わさる」ことで作り出される陰影が作風の一部なのかな・・・と新しい感想を抱く。
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